点にまつわる絵たち

2016 F4 油彩いつもと変わらぬ日常(青空)に救われるときもありますが、自分の心に向き合わぬまま繰り返す日常は、水面下で傷を深く侵食していました。2016 F6 油彩私は鞄にハサミやカッターを常備するようになりました。腹は大きな石を抱えたよう重く、喉…

『点』

2016 S3 油彩この絵は、20年前から頭の中にあったイメージを初めて外へ出した絵です。イメージとしては、真っ白なだだっ広い空間に、黒く小さな点がひとつあります。それはパソコンで打ったような機械的な点で、無機質な空間です。私は11歳のときに誘拐され…

油絵を描いてます

私は絵を描きたくて描いているだけで、とくに目的や目標はありません。なので自分で納得が出来るものが描ければ、それだけで満足しています。 絵は誰がどんなふうに描いてもいいと思うし、見たいように感じればいいと思います。なので、絵にタイトルも説明も…

「心配です」を考える

"心配"とは文字通り心を配ることであり、ある対象に向けられた気がかりな感情を表す言葉である。「心配です。」と対象に向かって発するとき、その響きは相手に対する思い遣りのように感じるが、ほんとうにそれだけだろうか。もちろんそのままの意味で使用…

コートの衿のデザイン変更

店頭で 気に入って試着もしたけれど、家でじっくり着てみるとなんだか着づらいお洋服や、ネットで購入し実際に着てみるとしっくりこないお洋服などは、そのまま着る出番がなくなってしまうことがあると思いますが、そんなお洋服も、少しデザインを変えてみ…

コートの擦り切れお直し

今回のご依頼もO様、長年ご愛用のコートのお直しです。気がつけばこのブログで紹介しているのはO様のお洋服ばかりになってきました。私が日々直しているのはおもに紳士物のスーツですが、O様のお洋服は可愛らしくてリメイク要素も強かったりするので、つ…

シャツ衿リメイク②

このスタンドカラーをどんな感じにするか… 折り込んでみたりして、どのくらい衿ぐりを開けるかなど考えます。 実際に着用して位置が決まったら、チャコで印をつけます。 衿も取りました。 ブラウスの衿ぐりの縫い代を1㎝残してカットします。前立ても衿ぐり…

シャツ衿リメイク①

黒のスタンドカラーシャツを購入したものの、2~3回着ただけで着なくなってしまいました。 シンプルで合わせやすそうと思っていたのですが、実際に着てみると、骨っぽさが強調され男性的に見えたり、固く重い雰囲気に見えやすい。 そこが自分の気分とはまっ…

衣服と満員電車~女性専用車両は男性差別か

衣服には皮膚を護ったり体温調節をするという生きていく上での重要な役割がありますが、身体を保護するために衣服を着ている、と日常的に意識することはあまりないと思います。 保護目的という点において私が唯一 "服を着ていてよかった" と感じたのは、中央…

ブラウスコピーオーダー

お気に入りの服を何年も着ているとボロボロになってきて、似たようなものを新調しようと探しても売っていなかったり、形が気に入っているので色違いもあったらいいな、と思ったことはありませんか。 今回はそんなオーダーにお応えしました。 お気に入りのブ…

この夏のシンクロニシティ

七月の半ばごろ、祖母が入院して手術をすることになった、と母から連絡があった。祖母は口腔外科の手術を以前にも一度しており、今回も同じような手術ということと母の話しぶりからも深刻さは感じられなかったので、あまり心配はしていなかった。 七月末から…

ボランティアでこんなもの作りました

これは左手に麻痺がある方のためのアームカバーです。 作業療法士さんが作ったオリジナルアームカバーを見本に、マジックテープを付け加えたり寸法を調整するなどして作りました。 (これは私の手です) 生地や材料はご本人のご家族や施設から提供していただい…

かぎ裂きお直し~番外編~

このシャツは30年前に母が着ていたものを私が譲り受けて着ていたのですが、フレンチスリーブで綿100%、サイズはタイトめなので、スイカのワンピースと同様に左袖下が破れてしまいました。 これも直せば、まだまだ着れます! まず袖ぐりと脇を少しほどいて、…

かぎ裂きお直し~スイカのワンピース~下

カギザキとはカギ(鉤)の形に破れたものをいいますが、この破れもカギザキに含まれると思います。このようなフレンチスリーブで生地がストレッチ素材でないものは、袖下に力がかかりやすく、そこから破れることがあります。 腕を伸ばすと腋から腕の長さは長く…

かぎ裂きお直し~スイカのワンピース~ 上

前回キャミソールのオーダーメイドを頼んでくださったO様から、また素敵なPINK HOUSE のワンピースが送られてきました。 見事に左胸が裂けてしまっています。 私は服というものは自分が着たいものを好きなように着るのが一番だと思っていますが、季節を感じ…

社会の窓

「社会のまど、あいてますよ」 誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、このフレーズ。 『社会の窓が開いている』とは、ズボンのファスナーが開いたままになっていることを本人に伝える婉曲な言い回しですが、近頃すっかり聞かなくなったと思うのは私だけ…

声なき声

今年から、重度心身障害児施設での衣類の繕いのボランティアを始めました。 重度心身障害とは重度の肢体不自由と重度の知的障害を合わせもつ障害で、その施設では200名以上の方々が医療と療育のケアを受けながら長期的に暮らしています。 未成年のうちは、保…

キャミソール オーダーメイド

ご依頼主*O様20年着用のPINK HOUSEのワンピース。 ご自身で繕いながら大切に着ていらっしゃったのですが、薄手の生地のため、着る度に破れるようになってしまいました。 このワンピースはいつもインナーとして胸元のレースをちらりと覗かせて着用しているそ…