コートの擦り切れお直し
今回のご依頼もO様、長年ご愛用のコートのお直しです。気がつけばこのブログで紹介しているのはO様のお洋服ばかりになってきました。私が日々直しているのはおもに紳士物のスーツですが、O様のお洋服は可愛らしくてリメイク要素も強かったりするので、つい楽しくて載せたくなってしまいます。
さて、今回のコート。前端の擦り切れと左袖の肘の内側部分の破れが目立ってきました。買い換えも検討されたそうですが、なかなか気に入るものが見つからないので、お直ししてまた着用することにしました。
前端の擦り切れ
左袖肘の内側の擦り切れ
前端はミシンで細かくタタキ縫い、袖は前見返しの生地を取って、はぎ合わせることにしました。見返しを取った部分は見えないところなので、代わりに別生地を足します。
では直していきます〜
左前見返しを外します。
左袖の傷部分を切り取ります。
切り取った袖部分を広げるとこんな感じです。この部分を外した見返しを4等分にし、縫い合わせて作っていきます。
型紙をつくり、
裁断をして、
縫い合わせました。
コートの袖に縫い付けます。
切り取った見返しの代わりとなる別生地はO様がいっしょに送ってくださったこの綿生地を使います。
外した見返しで型をとり(上部は縫いしろ分多くとる)裏面に接着芯をはります(今回は厚さをみて二枚重ねではりました)。
コートに縫い合わせました。
仕上がった左袖です。
前端の擦り切れはこんな感じでタタキ縫いしました。
別生地のくまのプリント部分がハギレになったので、ハンカチ?ともスカーフ?フロシキ?とも呼べないような使い勝手が微妙なものを作ってしまいました(38×38cm)。
Oさま、受け取ってくださり有り難うございます!
このコートはキルティングで大きな柄があり、はぎ目が目立ちにくいことから、大胆にはぎ合わせて直してみました。生地の素材や破れ具合い、どんな仕上がりを好むかによって、直し方法は変わってきます。