シャツ衿リメイク①

黒のスタンドカラーシャツを購入したものの、2~3回着ただけで着なくなってしまいました。

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シンプルで合わせやすそうと思っていたのですが、実際に着てみると、骨っぽさが強調され男性的に見えたり、固く重い雰囲気に見えやすい。
そこが自分の気分とはまっていれば問題ないのですが、どうも今の私にはしっくりこず、なんとなく着なくなってしまいました。







例えば、黒のスタンドカラーシャツで思い出されるのは、このお方。

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田村正和さん演ずる古畑任三郎です。




それと、このお方も。

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女王の教室天海祐希さん演ずる鬼教師です。





どちらも架空の人物なので大袈裟ではありますが、知的・隙がない・近寄りがたい・独立している……こんな印象を受けます。意図的にこういったイメージを強く出したいときにもってこいなシャツなのかもしれません。全身黒でいつも同じ様な格好をすることで、さらに印象を強めます。
あとは、スタンドカラーシャツではないのですが、おそらく黒のハイネックのインナーに黒スーツを着ている「振り返れば奴がいる」の織田裕二さん演ずる司馬先生も同様の印象を見受けられると思います。



もちろん、ボトムスなどの組み合わせ、着こなし方によって印象は大きく変えることができますが、今回は衿のデザインを変えてみようと思います。
ちょっとネックもきついので…。
ちょっと苦しい、とかちょっと動きにくい、だけで着なくなっている服って多いと思います。少し試着しただけではわからなかったりするので仕方がないですが、なんとか再利用できるといいですよね。



つづく。

衣服と満員電車~女性専用車両は男性差別か

 衣服には皮膚を護ったり体温調節をするという生きていく上での重要な役割がありますが、身体を保護するために衣服を着ている、と日常的に意識することはあまりないと思います。


 保護目的という点において私が唯一 "服を着ていてよかった" と感じたのは、中央線の朝のラッシュの満員電車です。
 高校を卒業後、東京の専門学校に通うために田舎から上京し、都会の満員電車に初めて乗りました。自分の全身の力を抜いても立っていられるくらいぎゅうぎゅうのすし詰め状態。押されて身体が痛いほどでした。そんなときに、ふと、(もしも皆が服を着ていなかったら…)と想像してしまいました。
身の毛がよだつような不快感、と同時に服という厚さ数ミリの布切れが、第二の皮膚となり、自分の内と外との境界線の役割をはたしてくれていることに気が付き、有り難く感じました。
そして、他者と接触はしているのにどうして厚さ数ミリの隔たりがあるだけでこうも感じ方が違うのだろうか…と少し疑問に思いました。



 十年越しに当時抱いた疑問を探ってみたら、女性専用車両の存在意義に繋がっていったので書いてみたいと思います。




(何を不快に感じるかは個人差があると思います。すべて私の主観ですのでご了承ください)


 身体が布で覆われていれば不快度が減るのであれば、電車に乗っている人達全員が透明の服だったらどうでしょうか。
皮膚が布で覆われていても、透明な服で裸が見える状態では他者と触れ合っていないとしても不快度は高いです。
では、皆が透明の服で目隠しをしていたらどうでしょう。
他者との接触がなければ不快ではないと思います。
しかし密着状態では、目隠しをして透明の服を着ていても、他者との接触は不快に感じると思います。


とすると、不快感は主に視覚と触覚によって起こるもので、見えない・触れない、が見ず知らずの他人との距離感として相応しいのだと思います。

 
 衣服は裸体を隠し、直に身体に接触することをできなくしていたために、薄っぺらいけれども満員電車という異常ともいえる空間の中で大変重要な役割を果たしてくれていたのです。

 裸を見られることと身体に触れられることは自分の内部に関わってくることなので、そこを赤の他人に介入されると多くの人が不快に感じると思います。

 
 そして、視覚と触覚は性的な興奮にも繋がりやすいと思います。
男女の体の違いによって男湯と女湯が別けられていることを良しとするのであれば、密着状態の満員電車も男女で別けることは良しといえるのではないでしょうか。
女性専用車両は痴漢対策や男性に恐怖心がある人のためだけでなく、男女の体の違いのため、または身体が不自由な方や子どもなど体格差がある人のためにも存在しています。

 だから私は女性専用車両男性差別ではないと思います。ですが男女平等かといえば平等ではない気もします。平等にするためには、男性専用車両を作ればいいと思います。痴漢の冤罪にあいたくない人や女性恐怖症の人、様々な人たちがいると思います。
 
 
 そもそも満員電車というものがなくなれば男女を区別する必要性はなくなるのかもしれません。

ブラウスコピーオーダー

お気に入りの服を何年も着ているとボロボロになってきて、似たようなものを新調しようと探しても売っていなかったり、形が気に入っているので色違いもあったらいいな、と思ったことはありませんか。


今回はそんなオーダーにお応えしました。
お気に入りのブラウスをお借りして、なるべく同色・同型のものと、色違いのものを製作しました。
(依頼人はまたもやO様です。ありがとうございます)


これが見本となるブラウスです
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同色コピーオーダーf:id:akaitaner:20180908211429j:plain
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色違いコピーオーダー
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まずは生地探しから始まるのですが、元となるブラウスの生地は綿97%ポリウレタン3%のストレッチ性があるものでした。綿ストレッチって探してみると品揃えが少ない……ストレッチデニムくらい厚手なら売っているのですが。
色違いの水色の生地はちょうど良いものが見つかったのですが、同色のミントグリーンの生地が見つからず、O様に相談した結果、色重視で綿100%の生地で製作しました。あまり伸びないのでサイズが若干心配だったのですが、問題なく着られたようで一安心です。


今後もう一枚色違いでピンクのブラウスを製作する予定で、O様がそれを「最後の服にしたい」とおっしゃるので、服を頼むのがこれで終わりという意味かと思っていたら『最期の服』という意味のようで、そんなことを考えていらっしゃるのかと少し物悲しくなった。でも、最期の服を作らせていただけるということはとても光栄なことで、より一層心を込めて製作していこうと思いました。




最期の服……死に装束といえば白い着物をイメージする人が多いと思いますが、ちょっと調べてみたらエンディングドレスというものが存在するそうで、エンディングドレス専門の服屋さんもあるのですね。近年では白装束以外の服を着ることも増えているようです。生前にエンディングノートとともに準備をするのもいいのかもしれませんね。

死ぬ準備をしている状態というのは最も幸福であるかもしれない、と思ったのですが(今)が充実している人はそんなことを考えたりはしないものでしょうか。




私なら何を着たいだろうか。
産まれて最初に着るのは『おくるみ』だから最期もおくるみで芋虫みたいにぐるぐるにくるまれたいかな。


終わりは始まり、とも言いますし…。

この夏のシンクロニシティ

七月の半ばごろ、祖母が入院して手術をすることになった、と母から連絡があった。

祖母は口腔外科の手術を以前にも一度しており、今回も同じような手術ということと母の話しぶりからも深刻さは感じられなかったので、あまり心配はしていなかった。
七月末から一ヶ月間の入院。お盆も病院で過ごすことになるので、私は帰省してお見舞いに行こうと考えていた。

それから、なんとなく祖母のことを思い出したりした。



小学一年生の夏休み、祖母と母と姉と私の四人で一泊二日の熱海旅行をした。静岡のどこかで観光したはずだけど、覚えているのは旅館での夜のことだけだ。
どちらかといえば古い、大きくも小さくもない、庶民的な旅館だったと思う。
宿泊する部屋に入ると、和室の壁に一枚の絵がかけられていた。飾ってあるというよりはかかっているという感じだった。荒れ狂う海と波に抗うように浮かぶ一隻の漁船が描かれていた。絵から暗いものが漂っている感じがして、見ないように意識した。
窓から外の景色を眺めると、ほぼ断崖絶壁で海だけが見える。
他のことは…何を食べてどんな風呂に入ったかなんて覚えちゃいない。
記憶は敷かれた布団に四人川の字になって寝ているところにとぶ。
窓側から姉、母、私、祖母の順に並んで寝た。
私はすぐに寝つけなかったが目を閉じて眠ろうとしていた。


すると廊下側から「チリン…チリン…」と鈴の音が聞こえてきた。音は人がゆっくりゆっくり歩くスピードで、等間隔だった。音が段々と大きくなってきて、この部屋の前に近づいてくるのがわかる。
私は(誰かが温泉にいくのだ、鍵に鈴がついているんだ)と思った。
部屋の前を鈴の音が通り過ぎていくのがわかった。
すると、また通り過ぎた方から鈴の音が近づいてくる。

(忘れ物でもしたのか)と思った。
それから何度か鈴の音が行ったり来たりして、なにかがおかしいと恐怖心がふくらんでくるが、どうすることもできずに布団の中でうずくまっていた。

すると今度は、窓の外から鈴の音が聞こえてきた。
(鈴をつけた猫か)と思った。
そう思おうとするのだけど、無理がある。猫はこんなに等間隔に歩けないし、窓の外を人が歩けるようなスペースもない。こわくてこわくて、誰にも気づかれないようにそっと母の背中にくっついた。
鈴の音が徐々に大きくなり最大限近づいたとき、音が停止した。それはすぐ側にいる。
私の頭の中はサダコのような幽霊像が浮かんでいた。目を開けて確かめようかと思ったが怖くてできなかった。固く目を閉じ、どこかへ過ぎ去ってくれるのを待った。
私はそのままいつの間にか眠りについていた。


翌朝、皆に夕べ寝ているときに鈴の音が聞こえなかったかときいた。
母と姉は全く知らないと。
当時、宜保愛子氏を崇拝していた祖母は、「聞こえた」と言った。
私は昨夜の出来事はまだ受け止めきれずにモヤモヤしていたし、あまり話してはいけないことのような気がして、それ以上言及することはなかった。




そんなことを思い出して、あぁ今一度祖母に本当にあの時鈴の音が聞こえたかどうかきいてみようかなぁと思ったのだが、そんなことを入院中のナーバスな状態の人に聞くもんじゃないと思い直し、やめることにした。



祖母の手術は8時間にも及んだ。母が私を心配させないように、わざと簡単な手術であるかのように言っていたのだ。
手術は成功し、すぐに自分でトイレもお風呂も入れるくらい回復して、一安心した。




その後、母が私に話した。
入院する前におばあちゃんがタンスの奥から風鈴を見つけ出してきて、軒下に付けたの。そしたらそこが風の通り路なのか、四六時中風鈴が鳴り続けるのよ。
その鈴の音が、ご先祖様かなにかを呼び寄せているような気がして、おばあちゃんを連れていくような感じがして気持ち悪かったのだ、と。
それは単に、母が祖母を心配する想いや不安が風鈴というものに投影してしまっただけなのかもしれないけれど、母はその音が気になって仕方がなかったので、オモリをつけて鳴らないようにした。そしたらそのうち台風がきて、気づいたらどこかへふっ飛んで行ってしまったらしい。



鈴の音と祖母のこと、目に見えないものの存在のことをほぼ同じ時に別の場所で母と私は考えていたのだなぁ、と思った。
だから何なんだって話しだけど、ちょっと不思議に思ったのだ。
御守りに鈴がついていたり、仏壇でチーンとならしたり、神社でガランガランとやったり、鈴の音というやつは何かしらの意味があるのだろう。



そして私はいい年して入院中の祖母からお小遣いをしっかりと受け取った。
あぁ、おばあちゃんこんな不甲斐ない孫でごめんね、いつもありがとう。
元気にお家に帰ってきて長生きしてね。




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ボランティアでこんなもの作りました

これは左手に麻痺がある方のためのアームカバーです。

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作業療法士さんが作ったオリジナルアームカバーを見本に、マジックテープを付け加えたり寸法を調整するなどして作りました。



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(これは私の手です)



生地や材料はご本人のご家族や施設から提供していただいた物を使用します。


手袋の類を作るのは初めてだったのでとても勉強になったし、ワクワクしながら作業できました。
自分が作ったものを身につけていただけて嬉しく思うし、職員の方も喜んでくださいました。

そして何より、アームカバーの持ち主の方とお会いしたときの笑顔は生涯忘れられないものとなりました…。


自分も相手も楽しむことができれば幸いです。

かぎ裂きお直し~番外編~

このシャツは30年前に母が着ていたものを私が譲り受けて着ていたのですが、フレンチスリーブで綿100%、サイズはタイトめなので、スイカのワンピースと同様に左袖下が破れてしまいました。

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これも直せば、まだまだ着れます!





まず袖ぐりと脇を少しほどいて、裏に芯を貼ります。
(芯地は手芸屋さんで購入するか、100均のアイロン接着の裾あげテープでも代用できると思います)
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縫い合わせます。
(チェック柄の場合は柄を合わせて縫うとキレイに仕上がります)
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今回は別布は付けないので、縫い代をアイロンで割って、袖ぐりと脇を縫い直せば完成です。
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裏に芯を貼る一手間で再度破れにくくなりますので、ぜひお試しください。

かぎ裂きお直し~スイカのワンピース~下

カギザキとはカギ(鉤)の形に破れたものをいいますが、この破れもカギザキに含まれると思います。

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このようなフレンチスリーブで生地がストレッチ素材でないものは、袖下に力がかかりやすく、そこから破れることがあります。
腕を伸ばすと腋から腕の長さは長くなりますが、伸縮性のない服は伸びてくれません。
そしてゆとりも少ないとビリっと破れてしまいます。





では、直していきます~
(写真が見づらくてすみません)



まずは袖ぐりと脇を少しほどいて、裏側に芯地(アイロン接着)をはります。
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縦に破れているところをミシンの針目を細かくしてたたき(縫い)ます。
これは表から見た感じです。
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横の破れを縫い合わせます。
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縫い代を隠すのと力布の役割として別布(ワンピースより薄地)を縫い付けます。
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くるむようにアイロンで折ります。
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別布の端ををぐるっと一周まつり、袖ぐりと脇を縫い直せば完成です。
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表からみるとこんな感じです。
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破れ方や生地によって直し方は変わります。今回はマチを入れようかとも考えたのですが、すごく目立つ部分なのでこのような直しになりました。